ブライダル業界とは?業界の特徴や現状の課題・年収などを解説
ブライダル業界とは?
業界の特徴や現状の課題・年収などを解説
ブライダル業界というとどんなイメージがありますでしょうか。
「結婚」に関わる仕事のため、華やかなイメージを持っている方が多いのではないかと思います。
ブライダル業界は、「結婚式」という一生に一度の大切な日を任されるため、大きな責任を伴いますがその分感動とやりがいを感じる事ができる魅力あふれる業界です。
今回は、これからブライダルの仕事がしたいという方のために、ブライダル業界について解説していきます。
面接で重要な志望動機を伝える際にも、ブライダルの業界研究ができており、仕事内容・現状や今後の課題などを理解をしていると、より説得力のある回答ができるようになるでしょう。
是非参考にしてみて下さいね。
目次
1:ブライダル業界とは【概要】
・ブライダル業界の歴史
2:ブライダル業界の構成
・結婚式場事業
・その他関連事業
3:ブライダル業界の企業
4:ブライダル業界の職種
5:ブライダル業界の給料・年収
6:ブライダル業界に向いている人
7:ブライダル業界の現状・課題・将来
8:まとめ/ブライダル業界の特徴
ブライダル業界とは【概要】
ブライダル業界とは、結婚に関わる業界の事を指します。
結婚式を挙げられるお客様へのサービスをメインに、結婚情報サービス・ドレス・ジュエリー・フラワー・ハネムーン事業なども含まれます。
ブライダル業界は、人生の最も幸せなイベントである「結婚」に関わり、新郎新婦やご家族にとって一生の思い出となる日をサポート・プロデュースする仕事です。
華やかな業界のイメージがある一方で、時代の流れや景気・流行やトレンドに左右されやすい傾向もあります。
ブライダル業界の歴史
簡単にはなりますが、まず初めにブライダル業界の歴史からお伝えしていきたいと思います。
【1990年~】神前式が始まる
大正天皇の結婚が決まり、現在の東京大神宮にて結婚式が行われ神前式のきっかけとなり現在に続いています。
【1923年~】ホテルウェディングが始まる
ホテルウェディングは帝国ホテルから始まりました。
上流階層では、人前挙式の後に帝国ホテルなどで披露宴を行うようになっていきました。
その後関東大震災で、東京大神宮が焼失した事により、帝国ホテルではホテル内で挙式から披露宴をスムーズに行われるようシステムを整え、ホテルでの結婚式という形が浸透していきました。
【1980年~】キリスト教式が人気に
挙式は神前式が殆どでしたが、その後キリスト教式に注目する人達が増え人気が出始めます。
1975年、京王プラザホテルでは日本で初めてホテル内チャペルをオープンしました。
その後も、チャペルを併設したホテルや専門式場が増え、キリスト教式が神前式を上回るようになってきます。
【1990年~】ゲストハウス・レストランの登場
キリスト教式をきっかけに、結婚式の洋風化が進んでいきました。
婚礼衣装は、和装からウェディングドレスに、婚礼料理も和食からフランス料理へ、演出においてもフラワーシャワーやブーケトスなどが人気に。
1990年代前半には、洋風な邸宅で結婚式ができるゲストハウスが登場。
1997年に、ラヴィス社が「ルーデンス立川ウェディングビレッジ」をオープン、1998年に、テイクアンドギヴ・ニーズ社がゲストハウスをオープンし、ハウスウェディングが続々と誕生。
現在の結婚式には欠かせない存在となっています。
同時にレストランウェディングも人気に。
料理にこだわるカップルやアットホームにできる事から、レストランウェディングを選択するカップルも増えてきました。
【その後~現在】
その後不景気などの影響もあり、「ジミ婚」「スマ婚」「楽婚」など結婚式にあまり費用をかけず低価格で行えるスタイルや、「ナシ婚」など結婚式が行わず入籍のみ行う人達も増えてきました。
景気が回復すると、衣装や料理・演出・写真などこだわる部分にお金をかけるカップルも増えてきました。
SNSの普及や、新型コロナウィルスの影響もあり、屋外で行うガーデンウェディング、海外やリゾート地で行うリゾートウェディング、自由な会場の選択やフォトウェディングなど、よりオリジナルでオーダーメイドの結婚式をする方たちが増え始めています。
ブライダル業界の構成
冒頭にて少しご紹介しましたが、ブライダル業界は「結婚式場業」と、「その他の関連事業」の2つで成り立っています。
現在は、結婚式も多様化し競争も激しくなっている事から、結婚式場業をメインに行っている企業が、その他関連事業を並行しているケースも増えてきています。
結婚式場事業
結婚式場事業とは、「挙式と披露宴ができる施設を持つ事業所」の事で、主にホテル・専門式場・ゲストハウスを指します。
★ホテル
バンケット数も多く、披露宴会場・控室・喫茶ロビー・美容室・写真館・花屋等全てを兼ね備えています。
知名度や格式・一定のブランドが確立されており、ホテルならではの整った環境と設備、一流のサービスが特徴である事から信頼感・安心感があります。
遠方のゲストには安心の、宿泊施設やレストラン等も揃っており、駅からのアクセスも良い場所にある傾向にあります。
★専門式場
結婚式に特化した施設を指します。
専門式場は、チャペルや披露宴会場が複数ある事が特徴で、新郎新婦の希望に合わせてご案内する事が可能です。
知名度が高い施設も多く、伝統的なチャペルや神殿・日本庭園などを持っており、神前式・人前式などにも対応が可能。
新郎新婦やゲストの方が過ごしやすい充実した施設になっており、披露宴でのサービスもしっかりしているため安心して結婚式を行えます。
★ゲストハウス
結婚式を行う専門の施設。
海外の一軒家のような洋風な雰囲気が特徴で、お城のような外観・緑豊かなガーデンやプール・独立型チャペルの完備など施設面も充実しています。
完全に貸し切りで結婚式を行える施設もあり、自由でオリジナルな演出がしやすいという特徴があります。
アットホーム感やオリジナル感、非日常感を求めるカップルに選ばれています。
※その他に、レストラン・プロデュース会社なども結婚式場業に含まれる事もあります。
現在のブライダルマーケットのシェアは
・専門式場、ゲストハウス:63.8%
・ホテル:22.4%
・レストラン等:13.8%
半分以上が専門式場・ゲストハウスとなっており、アットホームでオリジナルな結婚式のスタイルが定着しつつあります。
(※ゼクシィ「結婚トレンド調査2021全国(推計値)」)
参考コラム
・結婚式場の種類4つとそれぞれのメリット・デメリットを解説
その他関連事業
ブライダル業界には上記結婚式場業の他にも多くの関連事業あります。
★婚礼衣装:ドレス・タキシード・和装
★フラワー:ブーケ・装花
★美容:ヘアメイク・エステ関連
★飲食:料理・ウェディングケーキ
★写真・映像
★演出:音響・照明
★司会
★引出物関連
★アイテム関連:ペーパーアイテム
★テーブルウェア:テーブルクロス
★ジュエリー:婚約指輪・結婚指輪
★旅行:ハネムーン・海外ウェディング
★ブライダルデスク:式場紹介・ブライダルエージェント
★ブライダル専門メディア:結婚情報サイト・結婚情報誌
◎このようにブライダル業界は、
ホテル・専門式場・ゲストハウス等の結婚式場事業
それ以外の関連業種
で成り立っています。
ブライダル業界の企業
上記でお伝えしたように、ブライダル業界には幾つかの業態があり、中小企業~大手企業など様々です。
弊社のコラムに企業の一覧やランキングをまとめたものがございますので是非参考にしてみて下さいね。
★参考コラム
ブライダル企業一覧リスト&企業情報
ウェディングプランナー人気企業ランキングベスト10
ドレスコーディネーター人気企業ランキングベスト10
一貫制のブライダル企業一覧&企業情報
分業制のブライダル企業一覧&企業情報
ブライダル業界の職種
結婚式の仕事として、まずウェディングプランナーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
確かに、式場決定から結婚式本番まで関われるウエディングプランナーは、ブライダル業界で欠かせない重要な仕事の一つです。
しかし、何百万円もしうる結婚式には、他にも沢山の職種のプロフェッショナルが関わっているのです。
★ウェディングプランナー
式場の案内や契約から、結婚式の企画・打合せ、当日の施工など、最高の思い出作りをプロデュースします。
式の日にちから時間帯・招待人数・必要なアイテムの手配・お花や衣装など他に関わる職種との打ち合わせ日程の調整なども行います。
結婚式作りのスケジュール管理から当日の指揮までを担当します。
★ドレスコーディネーター
新郎新婦のタキシードやウェディングドレス、親族・参列者の衣装の提案や選定、当日の着付けをお手伝いします。
★フラワーコーディネーター
新郎新婦が身につけるブートニアやブーケ、会場を華やかに彩る装花を提案・空間作りをします。
結婚式における「花」全てを担当します。
★ヘアメイク
主に新婦のヘアメイクを担当します。
新婦の希望を聞きながら当日のメイクを施します。
親族など参列するゲストに施す事もあります。
★バンケットスタッフ(キャプテン・サービス)
披露宴の進行や、新郎新婦の先導を行います。
料理や飲み物を適切なタイミングでゲストに運んだり、ゲストからの要望に応じ対応します。
★音響・照明
結婚式を彩る演出として、音響や照明機器を駆使して効果的に演出を行います。
★ブライダルカメラマン
結婚式や披露宴で新郎新婦やゲストの方々のスナップ写真、記念写真の撮影を担当します。
また新郎新婦2人の前撮りや後撮り、家族や親族との集合写真も担当します。
★司会
結婚式までに新郎新婦と打ち合わせを行い、2人の馴れ初めや人となりを理解し、式当日に司会進行を務めます。
式場やホテルなどに所属しているケースより、フリーランスである事が多くなっています。
★介添え(アテンダー)
結婚式当日花嫁に寄り添って、身の回りのお世話をします。
会場内の誘導や、動作のサポートはもちろんの事、ヘアメイクや衣装に乱れがないか気を配り花嫁が常に美しくいられるようお手伝いする役割があります。
参考コラム
・ブライダル業界の職種一覧!結婚式の仕事のやりがいや魅力を解説
◎このように結婚式は、様々な職種のプロフェッショナルによって作りあげられています。
ブライダル業界の給料・年収
続いてブライダル業界の給料事情についてもお伝えしていきいたいと思います。
ブライダル業界というと、ハードな仕事内容な割に給料が低いというイメージを持っている人もいるかもしれません。
現在のブライダル業界の平均年収は350~400万円程度となっています。
国税庁の調査によると、日本人の平均年収が461万円(男性の平均年収:567万円、女性の平均年収:280万円)となっていますので、平均年収より少し低い水準となっているのが現状です。
しかし、ブライダル業界には様々な職種や企業がありますので勤務先によっても大きく変わってきます。
学歴や年齢・エリアによっても異なりますし、今までの経験・スキル・能力によって大きく変わるのがブライダル業界の特徴でもあります。
また企業によってインセンティブや歩合制度などを設けていたり、賞与の有無、資格手当、家族手当、残業代・休日出勤手当額などが様々です。
役職に就いたり、フリーランスになって成功すれば給料も上がっていきますので一概に言えないのが現状です。
参考コラム
・ブライダル業界ランキング~売上・企業規模・給料・勤続年数~
・ブライダル業界の給料事情!人気のウェディングプランナーやドレスコーディネーターの給料は?
◎人によっては、仕事の量や責任感の重さに比べて、お給料が安いと感じる人もいるかもしれませんが、ブライダルの仕事は他の業界にない一生に一度の晴れ舞台に携わる事ができるやりがいや、達成感などを感じる事ができる魅力の多い業界です。
ブライダル業界に向いている人
続いてブライダル業界の仕事に向いている人の特徴をお伝えします。
ブライダル業界の仕事は、人生の一大イベントである「結婚式」を成功させる事。
新郎新婦・ご家族・ゲストの方に喜んでもらう事が最大の任務になります。
そのため、以下のような方がブライダル業界に向いています。
★ホスピタリティマインドのある人
ブライダル業界で働く人々は縁の下の力持ちとも言える存在です。
主役である新郎新婦の為に結婚式のプロデュースをし、大切な1日を作り上げていきます。
「結婚式を絶対に成功させたい」という気持ちで新郎新婦に寄り添い、気遣い、サポートする事が重要になります。
責任の大きい仕事ですが、それよりも人が喜んでくれる事にやりがいを感じる事ができる方、人を喜ばせる事が好き、役立ちたいというような優しさを持っている人が向いています。
★コミュニケーション能力のある人
ブライダルの仕事は、接客や営業がメインとなる職種が多いためコミュニケーション能力は1番必要となります。
新郎新婦はもちろんの事、結婚式を作り上げていく際には、社内・社外など多くの人と関わります。
相手の話や質問をきちんと理解し、自分の意見や提案がきちんとできる人、対話できるコミュニケーション能力が必須となります。
★協調性のある人
結婚式の仕事は1人では成功させる事ができません。
前述したように、様々な職種のプロフェッショナルが1つのチームとなり、結婚式を作り上げていきます。
相手の事を考えながら協調性を持って仕事ができる人が向いており、マイペースな方や自分の意見を押し付けるような方は向いていません。
★責任感のある人
ブライダルの仕事は、一生に一度の大切な日に関わる事から、失敗が許されない大きな責任を伴います。
人生の一大イベントである事からほんの些細な事でもクレームに繋がる事があります。
1つ1つの仕事に責任を持って取り組める人が向いています。
準備の段階で大変な面もありますが、お客様に真摯に向き合い、結婚式当日を迎え無事に終わるまで責任を持ってやり遂げる資質が必要になります。
★忍耐力があり前向きな方
ブライダルの仕事は華やかでやりがいがある一方で、サービス業でもある事から、体力面が必要であったり職種によっては精神的な強さが必要な事もあります。
結婚式を成功させるために、前向きに取り組める方が向いており、プレッシャーに弱い方や精神的に弱い方は向いていないので注意しましょう。
参考コラム
ブライダル業界に向いているのはどんな人?ブライダルの仕事の特徴も解説
ブライダル業界の現状・課題・将来
最後にブライダル業界の現状・課題・将来に関してお伝えしてきます。
ブライダル業界は、2000年に本格的にハウスウェディングが登場し順調に成長し続けてきた業界ですが、現状の課題として以下のような問題があります。
△未婚率増加による婚姻組数の減少
△人口減少や少子高齢化によるブライダルマーケットの縮小
△晩婚化によるナシ婚、ジミ婚、家族婚などの増加=婚礼件数の減少
2020年に流行した新型コロナウィルスや景気の影響もあり更に数字は落ち込みましたが、現状としては徐々に結婚式を挙げる人々が戻ってきている状況です。
様々な問題はありますが、いつの時代でも結婚は人生の一大イベントであり、一生の思い出に残る大切な1日である事には変わりませんので。今後結婚式がなくなる事はないでしょう。
大切な人たちとの絆を確認できたり感謝を伝える大切な場でもある事から、今後もなくてはならないサービスであり続けると思います。
また過去の結婚式のトレンドを見ても分かるように、常に変化を伴う業界です。
近年では、フォトウェディングやガーデンウェディング、リゾートウェディング等が人気となっており新しい結婚式のスタイルやトレンドが進化し続けています。
世の中のトレンドを見極める事で、将来的に新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
現在各ブライダル企業では、結婚式の多様化に対応したプランの強化・オリジナル(オーダーメイド)プランの強化、他社との差別化・IT強化・人材の強化など様々な対策に取り組んでいます。
それぞれのブライダル企業の取り組みや、結婚するカップルの価値観・ニーズを把握し、的確な価値あるプランを提案し続ける事で、一生に一度の大切な日をプロデュースする重要な役割を持ち続ける事ができると思います。
またサービス業である事から、残業や休日出勤などハードな面も多く、女性が結婚や出産を機に離職してしまうケースが多かった業界ですが、こちらも働き方改革など各企業の取り組みが進んでいます。
参考コラム
・ブライダル業界の課題とこれからの将来はどうなる?
・ブライダル業界の現状と今後の未来はどうなっていく?
・ブライダル業界、産休育休は取れる?各ブライダル企業の制度もご紹介
まとめ・ブライダル業界の特徴
ブライダル業界についてお伝えしました。
ブライダル業界で働く人々には、「結婚式」という人生の大切な節目の1日を作り上げていく重要な役割があります。
多くの人の幸せな場面に立ちあえ、一生の思い出として心に残るような結婚式を作り上げていくやりがいの大きな仕事です。
一方で、ブライダル業界の特徴として、一大イベントに携わるからこそお客様の都合に合わせて出勤や時間を調整する事も多くなるという点もあります。
残業や休日出勤になってしまう事や、土日祝日は本番となる為、お休みは平日のみとなるなど大変な面もあります。
また失敗が許されない責任も伴う仕事でもありますが、1つとして同じでない結婚式を作り上げていける事、新郎新婦・ご家族・ゲストの方など沢山の人を笑顔にできる事、感謝の言葉を頂ける事など、大きな喜びや充実感を得られる仕事はブライダル業界ならではだと思います。
弊社ブライダルビズでは、ブライダル業界で働きたいという方の転職をサポートしております。
ブライダル業界の特徴や企業・職種の細かい内容をお伝え理解が深まるよう転職活動を全面的にサポートしています。
また、履歴書・職務経歴書の添削・面接対策もしっかり行っていますので、中々内定が取れない・転職活動が上手くすすまないという方はお気軽にご相談下さいませ。
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