バーテンダーになるために資格は必要?役立つ資格や勉強法をご紹介
バーテンダーになるために資格は必要?役立つ資格や勉強法をご紹介
ホテルのラウンジや町場のバーなどでお酒を作り接客するバーテンダー。
お酒のプロとして働く姿に憧れる人も多いのではないでしょうか。
バーテンダーは、年齢制限や必要な学歴などもなく男性も女性も活躍できる職種ですが、バーテンダーになるためにはどんな資格が必要で、仕事をする上でどういった資格を持っていると役立つか分からないという方も多いと思います。
そこで今回は、バーテンダーとして働く際に役立つ資格や仕事内容などをご紹介します。
これからバーテンダーとして働きたいという方は、参考にしてみて下さいね。
目次
1:バーテンダーとは
2:バーテンダーになるために資格はいる?
3:バーテンダーになるために役立つ資格4つ
・日本バーテンダー協会(NBA)主催
・日本ホテルバーメンズ協会(HBA)主催
・プロフェッショナルバーテンダーズ機構(PBO)主催
・ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)主催
3:バーテンダーの資格を取るメリット
4:バーテンダー資格取得の勉強方法
・専門学校に通う
・民間のスクールに通う
・通信講座で学ぶ
・独学
5:バーテンダーの仕事内容
6:バーテンダーになる方法
7:まとめ
バーテンダーとは
バーテンダーとは主にラウンジやバーなどのカウンターで、お客様の要望に合ったカクテルやワインなどアルコール飲料を提供する人を指します。
バーテンダーの意味はBarとTender(相談役・優しい)からできた造語となっています。
その語源通り自身の技術でカクテルを作り、お客様と会話したりコミュニケーションを取りおもてなしをする職種となります。
お客様にお酒を提供し心地よい最適な空間作りをする役割があります。
ホテル・レストラン・町場のバーなどバーテンダーの働く場所は様々です。
バーテンダーになるために資格はいる?
バーテンダーとして働く上で必須な資格はありません。
しかし資格を持っていると知識や技術がある事の証明となり、お客様に信頼感を与える事ができたり、就職・転職の際に有利になったり仕事の幅が広がります。
また、大きな大会に出場する際に資格が必要となる場合もあるため、バーテンダーとしてプロフェッショナルになりたいと考える方や将来的に独立して経営していきたい方は、資格を持っている事で有利になる事もあるでしょう。
バーテンダーになるために役立つ資格4つ
酒類を扱う内容となりますので、未成年は受ける事ができず、バーテンダーの資格を受けられる年齢は20歳以上となります。
バーテンダーの資格は国家資格はなく民間の資格のみとなり、代表的な資格の種類として以下の4法人が主催しています。
1 | 日本バーテンダー協会(NBA) |
2 | 日本ホテルバーメンズ協会(HBA) |
3 | プロフェッショナル・バーテンダーズ機構(PBO) |
4 | ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA) |
下記では、それぞれの法人が主催する資格の種類や特徴を説明していきます。
①日本バーテンダー協会(NBA)
一般社団法人日本バーテンダー協会は、バーテンダーの資質向上のために発足した民間の業界団体です。
多くのバーテンダーが入会しており、講座を受ける事ができるバーテンダー関係の機関となっています。
バーテンダーとして働く際にあると有利になる基礎的な知識やスキルを証明できるものとなっておりますので、これからバーテンダーの資格を取りたいという方におすすめです。
・インターナショナル・バーテンダー呼称技能認定試験
<バーテンダー呼称技能認定試験>
バーテンダーとして働く上での、アルコールに関する知識や信頼を得られるように定められた資格となっておりますので、未経験でチャレンジする資格ではなく現在働いている方がスキルアップや知識向上のために受ける資格となっています。
受験資格 | アルコールを提供している飲食業やサービス業に従事している、もしくはバーテンダーとして働いている20歳以上の者。 |
内容 | 60分。学科試験 「N.B.A.新オフィシャルカクテルブック」に掲載されている酒類に関する知識を問う内容となっており、20問出題されます。 100点満点のうち、90点以上が合格となります。 |
費用 | 正会員:5,400円 非会員:21,600円<合格認定料> 正会員:5,400円 非会員:10,800円 |
<インターナショナル・バーテンダー呼称技能認定試験>
バーテンダー呼称技能認定試験の上位資格になり、学科試験と実技試験があります。
受験資格 | N.B.A会員のみ。 協会在籍期間3年以上かつ実務経験7年以上。 「バーテンダー呼称技能認定」を取得して2年が経過した満25歳以上の者。 |
内容 | ○一次試験(60分):学科試験 「N.B.A新オフィシャルカクテルブック」に掲載されている酒類に関する知識を問う問題が10問、「衛生テキスト」に掲載されている食品衛生を問う問題が10問出題の計20問となっています。 ※合格基準は受験年度によって異なります。 ○二次試験:実技試験 フルーツ・カッティング、ステア、シェークの基本的な技術の確認。 各10点の計30点満点。25点以上取れれば合格となります。 |
費用 | 5,400円 合格認定料:16,400円 |
★両方で合格点を取らなければ合格とはなりません。
片方が採点基準を満たしていないと次回の試験時にも、1次・2次両方の試験の受験が必要となります。
共に、11月頃の年1回です。
②日本ホテルバーメンズ協会(HBA)
一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会(HBA)が主催する認定資格試験には、5つの種類の資格があり、主にカクテルに関する基本的な知識が問われます。
通信講座型の資格で、専用の教材を使用して通信講座を受講した上で、自宅で受験する事ができます。
バーテンダーの経験がなくても受けられるHBAビバレッジアドバイザーから受験し、取得後は、段階を踏んで会員限定の資格取得を目指していきます。
カクテルの知識を深めたい人におすすめの資格。
・HBAビバレッジアドバイザー
・HBAバーテンダー
・HBAシニアバーテンダー
・HBAマスターバーテンダー
<HBAカクテルアドバイザー>
受験資格 | 20歳以上・経験不問 |
内容 | 通信講座型。自宅で受講・受験可能 ※最後に認定試験あり |
費用 | 3万6,000円 |
<HBAビバレッジアドバイザー>
受験資格 | 20歳以上・経験不問 |
内容 | 筆記試験 |
費用 | 会員:2万5,000円 非会員:3万5,000円 対策講座の受講料(会員):2万円 対策講座の受講料(非会員):2万5,000円 |
<HBAバーテンダー>
受験資格 | バーやレストランなどで実務経験があるHBA会員のみ。かつ、HBAビバレッジアドバイザーの資格取得者。 |
内容 | 筆記試験・実技試験 HBAビバレッジアドバイザー資格取得者・現在も飲食店勤務である者(バーやレストラン) |
費用 | 1万5,000円 |
<HBAシニアバーテンダー>
受験資格 | 28歳以上・10年以上の実務経験があるHBA会員のみ。 HBAバーテンダー資格取得者・現在も飲食店勤務である者(バーやレストラン) |
内容 | 筆記試験 |
費用 | 2万5,000円 対策講座の受講料(1日受講):1万5,000円 対策講座の受講料(2日受講):2万円 |
<HBAマスターバーテンダー>
受験資格 | 40歳以上HBAの会員・HBAシニアバーテンダー資格取得者で支部長推薦を受けた者 |
内容 | 筆記試験・論文・面接 |
費用 | 2万5,000円 |
③プロフェッショナル・バーテンダーズ機構(PBO)
NPO法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構が行う認定試験は、バーテンダーの育成と資質向上を目的とし実施しています。
試験は、筆記(知識の確認)とカクテル調合(技術の確認)の2種類となっています。
プロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験を取得すれば、PBOが主催する全国バーテンダーズコンペティションMVBカップにも出場できるようになります。
<プロフェッショナル・バーテンダー認定試験>
受験資格 | 経験不問 |
内容 | ①筆記による知識試験 80%が酒類に関する問題で20%が一般常識問題となっています。②カクテル調合による技術試験 制限時間4分以内に、シェイクとステアの技法によるスタンダードカクテルを一杯ずつ作ります。 器具の扱いや調合の正確性・味覚などが審査の対象となります。 |
費用 | メンバー:10,000円 ビジター:15,000円 |
★両方で合格点を取らなければ合格とはなりません。
但し、一般常識問題の得点が無い場合には不合格となります。
④ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)
蒸留酒に関する歴史や保存管理方法、グラスの選び方、カクテルの考え方、テイスティング方法など様々な知識が問われます。
<スピリッツアドバイザー>
受験資格 | 20歳以上・経験不問 |
内容 | 通信講座と会場での講座・試験の2種類。 通信講座では、3か月の受講期間中に3回の課題を提出し、クリアすると資格取得となります。 ※合格率:約70% |
費用 | 40,000円程度 ※受講コースによる |
★このように様々な団体がバーテンダー向けの資格を発行しています。
バーテンダーは資格がなくてもなれますし、資格を持っていなくても活躍している人は沢山います。
しかし、資格を持っている事で、ご紹介したようなメリットがあります。
自分自身のスキルアップをしたいという方や、キャリアアップを目指したい方にはおすすめです!
バーテンダーの資格を取るメリット
前述したように、バーテンダーとして働く際に必須となる資格はありません。
しかし資格を持っている事で下記のようなメリットがあります。
〇お客様へ安心感や信頼感を与える事ができる
〇バーテンダーのコンペティション(大会)に出られる
〇より良いサービスができ顧客満足度が上がる
〇キャリアアップできる
〇転職の幅が広がる
〇企業によっては資格手当が出るところもある
〇独立や開業の時に役立つ
〇一流ホテルや有名レストランへ転職できる可能性がある
・バーテンダーとして極めたい
・プロのバーテンダーを目指したい
・将来独立して開業したい
という人は資格を持っていた方が良いでしょう。
バーテンダーの資格取得のための勉強方法
バーテンダーの資格を取得するための方法は4つあります。
それぞれにメリットデメリットがありますので自分に合った方法で資格取得を目指しましょう。
専門学校に通う
バーテンダーとしての基本的な知識や技術を学ぶために専門学校に通う方法があります。
ホテル系やホスピタリティ・飲食系の専門学校であれば、バーテンダーに特化した専門の学科やコースがありますので、資格取得のカリキュラムがあったり、バーテンダーとして働く際に役立つホスピタリティやおもてなしの技術や、酒類の知識を習得する事ができます。
専門学校では経験のある専門の講師が、講義や実習・指導をしてくれますし、基本の知識や技術を習得できるため、就職後もスムーズに業務に就く事ができるというメリットがあります。
専門学校に通うと2年という期間や費用もかかるものの、効率よく必要な情報を教わる事が可能なので、合格への確実性を高める事ができます。
勉強に励むための強制力があるので、一人での勉強にくじけてしまう人に向いている方法となります。
民間のスクールに通う
民間のスクールでは、バーテンダーの経験のある講師から酒類の基本的な知識や、バーテンダーとしての技術などを短期間で学ぶ事ができます。
インターンシップ制度や就職・資格取得のためのサポートがあったり、学生や社会人のために夜間コース・短期間コース・個人クラスなどがあり自分の生活スタイルに合わせて受ける事ができるスクールもあります。
一度就職した社会人の方や、短大・大学を卒業した方がスクールで知識や技術を学ぶ事ができます。
共にバーテンダーをめざす仲間がおり、切磋琢磨できるので勉強のモチベーションを保つメリットもあります。
・ジャパンバーテンダースクール・ジャパンカフェスクール(東京・京都)
通信講座で学ぶ
専門学校やスクールに通う時間なかったり、学費を抑えたいという方には通信教育(講座)が便利です。
学習期間も学校に通うより短くなりますし、通信講座を受ける事で資格を取得できるものもあり効率良く学ぶ事できます。
その他の資格でご紹介したHBAカクテルアドバイザーは、通信講座を受ける事で自宅で受験する事が可能で資格を得る事ができます。
独学に近い形にはなりますが、通信教育ではプロのアドバイスや各社オリジナルのテキスト・DVDを活用し勉強ができるようになっています。
会社によってはコースもいくつか種類があり金額も変わってきます。
独学よりも幅広くバーテンダーの知識や仕事を知る事ができ要点を押さえた勉強ができます。
空いた時間に効率よく勉強できるメリットがありますが、自宅学習になるので強い意志がないとくじけてしまいがちです。
独学
今は様々な参考書や書籍があるので、バーテンダーの資格の勉強は独学で進める事も可能です。
専門学校やスクールに通う時間がなかったり、通信教育を受けたりするための費用がない場合は、参考書やガイドブックで独学で学ぶ事も可能です。
ただ講師もいなくテキストなどもないため、基本的に頼る人がいません。
自分自身で参考書や書籍で勉強する事となります。
どのテキストを使うか、どう学習を進めるか指針がないので、うまく勉強が進まない可能性があります。
資格取得に向け、モチベーションを落とさないよう工夫したり、自分の勉強方法を確立していく事が重要となります。
★バーテンダーの資格取得のための勉強方法をお伝えしました。
資格試験によっては実技試験がありますので、バーテンダー資格を必ず取得したい・バーテンダーとして知識やスキルを付けたいという場合は、専門学校や民間のスクールに通う方法が近道となるでしょう。
独学や通信講座ではカクテル作りなど実技的なスキルを磨くのは難しくなります。
また、現役のバーテンダーが講師になっている事も多く、就職や転職に役立つ情報も得やすいなどのメリットもあります。
現場で経験をつけながら自分に合った方法で勉強する事をおすすめします。
バーテンダーの仕事内容
バーテンダーの主な仕事内容は以下の3つになります。
カクテル作り・アルコール飲料の提供
バーテンダーの1番の仕事はカクテル作りやワイン・ビールなどのアルコール飲料の提供になります。
お客様一人ひとりの好みや希望・気分などに合わせて、何百種類とあるお酒の中から選定しカクテルを作ります。
カクテルの種類は数千種類あるとも言われており、お客様に合うぴったりのお酒の提供できるかどうかはバーテンダーの腕にかかっています。
カクテルを作る方法やレシピは様々な種類があり多くの技術が必要となる仕事です。
接客・おもてなし
お酒を提供すると共に、よりお客様に楽しく満足してもらうおもてなしをするのもバーテンダーの大切な仕事です。
ただ接客すれば良いというわけではなく、お客様の雰囲気を感じ取りながら話したいお客様なのかそれとも1人で静かに飲みたいお客様なのかを見極めコミュニケーションを取っていきます。
バーやラウンジでは様々な年代の方や、職業の方、またホテルや高級店の場合はハイクラスなお客様が来店する事も多くあるため、所作やマナーを意識した高度な接客技術が求められます。
開店準備・閉店作業
店舗にもよりますが、バーテンダーの仕事は基本的に夜からのスタートとなるため、夕方から開店準備を始める事が多くなります。
店舗の清掃やカクテルの補充・食材の買い出し・グラスの準備・在庫管理・予約の確認などの流れで準備しスムーズに営業できるようにします。
また氷を作ったりお酒に添えるフルーツカッティング、お酒のつまみとなる簡単な調理などの仕込みも行います。
バーには深夜に来るお客様もいるため、閉店時間は大体0時~3時前後が多くなります。
そのため営業が終わった後に閉店作業となり、店舗の掃除や、片付け、在庫確認・発注、翌日の準備などを行いますので終了時間は深夜遅くなります。
そのため体力も必要となる職種です。
バーテンダーになる方法
未経験からバーテンダーを目指す場合、どのような方法があるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
バーテンダーになるために必要な学歴や資格は特にありません。
バーテンダーになるためには学校やスクールで学ぶか、現場で経験を積むかどちらかになります。
バーテンダーの学校やスクールに通う
バーテンダーとしての基本的な知識や技術を学ぶために専門学校に通ってから、バーテンダーとして就職する方法もあります。
学校としては高校卒業後、短大・大学・専門学校などがありますが、短大・大学にはバーテンダーに特化した学部はありませんので専門学校やバーテンダー養成学校に通うのが1番の近道となるでしょう。
ホテル系やホスピタリティ・飲食系(調理)の専門学校ですと、バーテンダー専門の学科やコースがありバーテンダーとして働く際に役立つホスピタリティやおもてなしの技術などを学ぶ事ができたり、酒類の知識を習得する事ができます。
専門学校では経験のある講師や専門の講師が、講義や実習・指導をしてくれる事が多くなります。
基本の知識や技術を習得できるため、就職後もスムーズに業務に就く事ができるというメリットがあります。
専門学校以外にバーテンダーの知識や仕事を学ぶ方法として民間のバーテンダーのスクールがあります
バーテンダーの経験のある講師から酒類の基本的な知識、バーテンダーとしての技術などを短期間で学ぶ事ができます。
インターンシップ制度や就職・資格取得のためのサポートがあったり、学生や社会人のために夜間コース・短期間コース・個人クラスなどがあり自分の生活スタイルに合わせて受ける事ができるスクールもあります。
一度就職した方や、短大・大学を卒業した新卒の方がスクールで知識や技術を学ぶ事ができます。
学校やスクールに通うのが難しい場合は、短期講座や通信講座などで学ぶ事も可能です。
バーテンダーとして現場で経験を積む
バーテンダーになる方法として学校やスクールで学ぶ方法をお伝えしましたが、それよりも現場で実務経験を積んでスキルアップしていく方が一般的となっています。
バーテンダーはお酒を扱う専門職となるため最初はアルバイトや契約社員などで下積みをし、腕を磨いていく事も多くなります。
先輩バーテンダーにつき、お酒類に関する知識やカクテルを作る技術・接客やおもてなしのスキルを身につけ一人前のバーテンダーとなっていきます。
バーテンダーとしての経験を積む事ができたら正社員として働きキャリアアップしていったり、バーテンダーの資格などを取得して更にスキルアップしていく事が可能です。
まとめ
バーテンダーの資格に関してお伝えしました。
未経験でチャレンジできる資格もあれば、飲食店などでの実務経験が必要な資格もあります。
資格を持っていると酒類の知識やバーテンダーの技術をより上げていく事ができ、顧客満足にも繋がります。
資格を取得する際や、NBAの会員になるには費用もかかりますが、資格を持っていると転職する際や就職した後に有利(メリット)になる事が多くなります。
また資格があると大会に参加できたり自身もスキルアップできます。
将来独立して自分のお店を経営したい方や、バーテンダーとしての地位を確立したいという方、スペシャリストになりたいという方にも資格取得は役立つでしょう。
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