飲食業界の現状と今後の課題は?

 

飲食業界の現状と今後の課題は?

 

 

飲食業界の就職活動や転職活動をする時に、飲食業界の現状や動向・飲食業界の将来性・飲食店の今後の展開を把握しておく事は非常に重要です。
飲食業界は景気の影響や流行の影響を受けやすいため都度確認していく事が大切になります。

今回は飲食業界の現状と今後の課題に関してお伝えしていきます。
飲食業界で働きたい方の参考になればと思います。

 

 

 

飲食業界とは           

 

 

飲食業界とは、食品を調達・加工・調理し、店舗(飲食店)で飲食品をお客様に提供するサービスを行う業界の事を指します。

飲食業界は常に生活に密着し、多くの人の生活の一部にもなっているなくてはならないサービスです。

飲食業界は
外食
中食

の2つのサービスがあります。
外食は飲食店として店舗を構えお客様に外で飲食品の提供しますが、中食はお惣菜やお弁当など家庭に持ち帰ってもらう飲食品の提供になります。

今回は飲食業界の「外食・飲食店」に関してお伝えしていきます。

 

飲食業界の業態           

飲食店には下記のような様々な業態があります。

・カフェ
・ファーストフード
・ファミリーレストラン

・居酒屋
・ダイニング
・バー
・焼肉屋
・寿司店
・和食屋
・レストラン(フレンチ・イタリアン)

◎業態によって客単価や客層が様々です。
その時の流行によっても各業態の売上などは変わってきます。

 

 

飲食業界の現状          

 

 

飲食業界の現状を知るために、飲食業界の市場の状況を含め説明していきます。

 

新型コロナウィルス流行による市場規模の縮小

2020年より流行し始めた新型コロナウィルス感染拡大の影響により、飲食業界は大打撃を受けました。

緊急事態宣言による感染拡大防止のための飲食店の臨時休業・営業自粛・時短営業に、更に企業のテレワークや休校などで外食する機会も減り消費者の外食に対する意識や行動が大きく変わりしました。

また働いている従業員や採用活動にも打撃があり、給与の減額や契約社員・派遣スタッフ・アルバイトなどの打ち切り、また新卒・中途採用を中止したり人数を減らして採用活動を行うというような影響が出ました。

2019年の外食産業の市場規模は26兆439億円でしたが、新型コロナウィルスの影響で2021年間の飲食業界全体の売上は前年比(2020年)98.6%、一昨年比(2019年)では 83.2%と市場規模は縮小。
特に時短要請や酒類提供の制限・禁止が加わったため飲酒を扱う業態の多くは休業や閉店に追い込まれました。

居酒屋業態の売上は前年比(2020年)で57.8%、コロナ前の一昨年比(2019年)では27.2%と更に市場は縮小してしまいました。
(※一般社団法人日本フードサービス協会 2021年外食産業市場動向調査より)

 

企業はテイクアウトや宅配などの新しいサービスを提供したり、顧客が来やすい業態に変えたりと何とか生き残りをかけて対応しています。

各飲食企業の様々な対策・対応により少しづつではありますが回復傾向にありますので、今後コロナウイルスが収束してくると顧客が戻ってくると予想できます。

 

各業態別の売上動向         

前述したように2021年間の飲食業界の全体売上は前年比・一昨年比で市場規模は縮小しました。
各業態の売上の動向は下記の通りです。

 

ファーストフード業態
前年同月比(2020年度):117.6%
前々年比(2019年度):99.1%

ファミリーレストラン業態
前年同月比(2020年度):91.8%
前々年比(2019年度):70.3%

レストラン業態
前年同月比(2020年度):89.9%
前々年比(2019年度):57.4%

喫茶業態
前年同月比(2020年度):100.1%

前々年比(2019年度):69.2%

居酒屋業態
前年同月比(2020年度):57.8%
前々年比(2019年度):27.2%

(※一般社団法人日本フードサービス協会 2021年度調査結果より)

◎ファーストフードは持ち帰りなどがメインである事から売上は殆ど変わっていませんが、酒類を扱う居酒屋業態は大幅に落ち込んでいるのが分かります。

 

労働環境・人材不足         

飲食業界は常に人材不足の業界です。
多くの人の生活に密着し感謝されるやりがいのある仕事ではありますが、拘束時間が長い事や休日が取りにくい事、常に動き回る立ち仕事ですので体力が必要となります。

また企業によりますがサービス残業となってしまう事や、休日出勤、有給が中々取れないなどの環境から離職する人もいます。
サービス業であり常に忙しい業界であるため、中々労働環境が改善され人材が定着せず不足している現状があります。

 

 

飲食業界の今後の課題       

 

 

このように現在の飲食業界は新型コロナウィルスの営業により大打撃を受けました。
各企業の対策やコロナウィルス収束により、顧客も戻りつつありますが消費者の生活の変化などもありまだまだ厳しい状況です。
これからの飲食業界の未来はどのようになっていくのでしょうか。
飲食業界の今後の課題に関してお伝えしていきます。

 

 

顧客のニーズに合わせたサービスの強化

既に各企業で取り組みが行われていますが、テイクアウトや宅配・持ち帰り弁当などのサービスの提供を開始しています。
またテレワークや大人数での飲食が禁止された事もあり大幅に売上が下がってしまった居酒屋業態は焼肉業態や焼き鳥業態への移行、ランチ帯の営業の強化などに力を入れています。

コロナ禍によって新しい飲食の形態が定着しつつあり、現在でも個室やテラス席が充実している店舗が安心という方が多くいます。

飲食業界はこのように世の中の変化や経済の影響を受けやすいので、今後の飲食店は顧客のニーズやその時代のスタイルに合わせたサービスの強化が必要になるでしょう。

 

SNS・ネット対策による集客の強化

近年ではSNSや口コミで飲食店を選ぶ顧客も増えてきています。
企業や店舗でInstagramやツイッターの自社アカウントを持ち情報を発信したり、インフルエンサーや実際に店舗を利用した顧客からの投稿など様々な手法で集客を得る事ができるため、SNSは集客の重要なツールの1つとなっています。

常に企業側からの最新の情報を発信を受け取る事ができるので、利用者にとってはより身近に感じる事ができ安心感や親近感も湧きやすくなるでしょう。

店舗の強みや料理の魅力やメニューなどを全面に出せるため、費用の高い広告媒体だけではなく自社で集客戦略を狙っていく事も今後はより必要になってくるでしょう。

SNSを活用した情報発信は地道でありながら、企業や各店舗できちんと仕組みを作り継続して発信し続ける事で効果の高い集客方法や宣伝になるでしょう。

 

店舗の質・人材育成の強化      

コロナ渦により、飲食業界は大きな打撃を受けましたが老舗の店舗リピーター(常連客)が多い店舗は一時的に売上は落ちたものの順調に戻りつつあります。

それは今までの顧客が繰り返しまたそのお店で「食べたい」「サービスを受けたい」と思うからです。
飲食店は殆どがリピーターで成り立っています。
このような顧客の存在が、変化する世の中の危機下においても経営の支えとなり重要な役割を果たしてくれます。

元々飲食業界は飲食の提供と共におもてなしを提供する業界でありますが、常に顧客満足に励む事が今後の飲食業界では更に必要となるでしょう。

前述したように近年ではSNSや口コミにも重要な宣伝効果がありますので、飲食店の魅力やサービス内容をアピールするためにもお客様により満足して頂けるような質の向上が求められてきます。

そのためには、飲食業界のプロとして働く従業員の高い能力やスキルが必要となってきます。
今までのコミュニケーション力やホスピタリティ力にプラスして、お客様の要望が何なのかを的確に感じ取り状況や場面に臨機応変に行動できる人材が求められています。
従業員の育成や離職回避に力を入れる事で、経験や能力のある人材を長期的に確保できます。

 

労働環境の改善・人材の確保     

飲食店はサービス業界であり常に忙しい業界です。
営業時間が長い事から、労働時間や拘束時間も長くなりますし土日祝日や大型連休の休みが取りにくいという現状があります。

また立ち仕事が多く体力も必要となり身体的な疲れがたまりやすい仕事ですので、中々人材が定着しないという面があり退職する方も多い業界です。

前述したように飲食店での顧客満足は料理はもちろんの事、サービスの満足度も重要になってきます。
経験の長い良い従業員がいる事や、サービス能力の高い人材がいる事で売上は大きく変わります。
そのためには優秀な人材は離職しないような労働環境作りも大切になります。

2019年4月1日から施行された働き方改革を飲食業界でも実施すれば、従業員の満足度は上がるでしょう。
働き方改革は、少子高齢化による若者の労働人口の減少や、働き方の多様化するスタイルや価値観の変化によって様々な働き方を実現するために施工されたものです。

長時間労働の改善や残業代の適正な支給、有給休暇の確実な取得などにより従業員満足度があがり、従業員の離職が下がれば採用コストや教育コストが抑えられるというメリットもあります。

常に人材不足である飲食業界ですので、働き方改革によって環境の良い職場であれば優秀な人材を確保できる可能性も高まり、結果売上にも繋がっていくでしょう。

とはいえメリットがあればデメリットもあります。
働き方改革の実施をする事で、人材が足りなくなったり1人1人の仕事量が増えてしまう事もあります。
また責任者がカバーする事も増えてくるでしょう。
そのためには人材の確保や、仕事の分担、また効率や生産性の良い業務の仕方に変更するなどの対策が求められてきます。

飲食業界での労働環境を見直す事は、従業員の満足のいく働き方や生活の両立を実現するために企業が取り組まなければならない重要な課題でしょう。

 

感染対策をしながらの営業      

今後しばらくはこのコロナ禍での営業が続く事になるでしょう。
そのためには今まで通りにアルコールの設置や、検温の徹底、人数制限、パーテーションの設置、テラス席などの設置、従業員の体調管理等感染対策をしっかりしていく事が求められるでしょう。

このような世の中ですので、お客様に楽しんで食事をしてもらうためにもきちんと対策をできる飲食店が顧客の安心感や満足に繋がるでしょう。

 

まとめ・飲食業界は今後も必要な業界

 

 

コロナ禍によって飲食業界は大きな打撃を受けましたが、それと同時に家族や同僚・友人など大切な人と飲食を共にする大切さを改めて感じた方も多かったのではないでしょうか。

様々な世の中の変化や顧客のニーズを把握し、それにこたえる事で飲食業界はこれからもなくてはならないサービスであり続けるでしょう。
そして人々に楽しく幸せな時間を与える事ができる重要な役割を持ち続ける事ができる業界であると思います。

今後飲食業界では勝ち抜いていくための企業の戦略や努力が求められ、新しい飲食の形やサービスの展開をしていく企業も出てくる事が予想されます。

また人材面での努力も必要であり、労働環境や人材育成・人材定着などの問題も企業や経営者がきちんと取り組んでいかなくてはならない課題でしょう。

 

 

 

 

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