食品衛生責任者・食品衛生管理者の仕事内容やそれぞれの違いは?

 

食品衛生責任者・食品衛生管理者の仕事内容やそれぞれの違いは?

 

 

飲食店や食品を扱う仕事をする場合、「食品衛生責任者」「食品衛生管理者」の資格が必要となってきます。
しかし、全員が資格を取得し業務に就くのは難しいため、現在は「食品衛生責任者」「食品衛生管理者」を配置し、法律に沿った営業ができるようにしています。

飲食店や食品を扱う仕事に就きたい人が持っていると重宝される資格となりますので、今回はそれぞれの仕事内容や違い、資格の取得方法をお伝えしていきます。

 

 

 

食品衛生責任者・食品衛生管理者とは 

 

 

飲食店や食品を扱う工場を運営する上で、食品衛生法では「食品衛生管理者」「食品衛生責任者」の選任が定められており義務化されています。

食品衛生法とは、飲食による消費者の健康被害の発生を防ぐための法律です。
消費者は、飲食店や食品を扱う工場でどのように食品を製造・加工しているのか確認する事ができません。
そのため食品衛生法は、安全が確保された衛生な食品なのか、食品に使用しても良い添加物や包装容器なのか、成分表の正しい提示の仕方なのかなど日本で国民が安全に飲食できるよう定められた法律となっています。

食品衛生責任者は、飲食店や販売店・食品製造施設など食品に携わる業務を行っている施設ごとに、必ず1人配置しなければなりません。
また飲食店を開業する場合、食品衛生責任者の配置は必須となっています。

食品衛生管理者は、食品を扱う工場などで加工や製造をする際に、特に衛生状態に気を付けなければいけない場合に配置されます。

◎食品衛生管理者を配置しなければならない施設以外の食品を扱う施設では、食品衛生責任者を配置する必要があります。

 

 

食品衛生責任者と食品衛生管理者との違い

 

 

食品衛生責任者と食品衛生管理者は名前もよく似ていますので、違いが分かりにくかったり同じようなものだと思う方もいるでしょう。
しかし、仕事内容の違いや、資格取得条件の違い、勤務先の違いなどがあります。

両者とも食品に関わる仕事をする場所には必要ですが、1つの施設に両方を配置する必要はありません。
下記で詳しくお伝えしていきますが、食品衛生管理者の方がより専門的な知識が必要となってきます。
そのため、食品衛生管理者は食品衛生責任者になる事ができますが、逆はなれません。

 

〇食品衛生責任者
公的資格
特定の有資格者もしくは講習会の受講で資格取得可
飲食店や食品を扱う施設で配置必須

 

〇食品衛生管理者
国家資格
特定の有資格者尚且つ講習の受講で資格取得可
一部の食品加工工場で配置必須
食品衛生責任者の役割も担える

 

 

食品衛生責任者の仕事内容と資格取得方法

食品衛生責任者は、飲食店や食品の販売・製造など食品を扱う全ての施設において配置しなければいけない有資格者です。
営業許可施設ごとに1名置く必要があり、飲食のチェーン店で展開している場合は、複数の店舗を1人の責任者が兼任する事はできませんので各店舗に必要となります。
また、コンビニエンスストアやスーパーなどでも、食品を製造販売している場所では配置が必要となります。

 

✍仕事内容
食品衛生責任者の仕事は、施設内で安全な食品を提供するために、食中毒や食品衛生法違反が起こらないよう衛生管理を実施する事です。
正しい知識で食品の製造・加工・調理・販売ができているかを確認する役割があります。

 

・設備の衛生管理、点検

・不衛生箇所のチェック

・従業員スタッフの健康管理

・衛生管理表作成
(手洗い、消毒、清掃、冷蔵庫の温度管理表など)


・食材管理のチェック
(食材の保管や加熱温度などの確認)

 

作業場などの衛生管理がしっかりと行われているか管理する事が仕事になります。
衛生管理が正しく行われておらず食中毒などを起こしてしまうと、営業停止処分や調理師免許の停止措置を受ける事もあります。
お客様からの信用も失い倒産してしまう場合もありますので、非常に重要な役割があります。

 

✍資格取得方法
食品衛生責任者は、飲食系の栄養士・調理師・製菓衛生師等の資格、その他、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師などの資格を持っていると、実務経験や講習を受けなくても食品衛生責任者になる事ができます。

このような資格を持っていない場合は、食品衛生責任者養成講習を受講する必要があります。
他の資格に比べると取得しやすく、1日食品衛生責任者養成講習を受講しテストに合格すれば取得できます。
講習前の事前勉強も特に必要なく、難易度は低めになっています。

飲食店や食品販売の営業許可更新時には、食品衛生責任者実務講習を受講しなくてはなりません。
前述した資格保有者も受講対象となり、実務講習を受講しなければ営業許可の更新申請ができません。

 

 

食品衛生管理者の仕事内容と資格取得方法

食品管理者は、食品衛生法によって定められた特定の食品を扱う工場などで、加工や製造をする過程で特に衛生管理が必要な場合に設置される有資格者です。
ベーコンやハムといった食肉や魚を別のものに加工する食肉加工場、乳製品や油脂の製造工場などに必要となりますので、飲食店やコンビニエンスストア、スーパー、またお弁当や飲料などを製造する工場には必要ありません。
また放射性照射食品を扱っている工場などにも選任する事になっています。

※全粉乳・加糖粉乳・調整粉乳・食肉製品・魚肉ソーセージ・放射線照射食品・食用油脂・マーガリン・ショートニング・添加物を加工・製造する際には食品衛生管理者をおく事が義務付けられています

 

✍仕事内容
上記の食品衛生責任者同様、従業員スタッフへの衛生教育を指導し、衛生管理を徹底させる役割があります。
その他に、工場内で加工・製造の衛生管理を確認する事、食中毒や食品衛生法の違反を起こさないよう食品衛生の管理をする事が主な仕事となります。

 

✍資格取得方法
食品衛生管理者の資格は、厚生労働省が管轄する国家資格となっています。

食品衛生責任者のように、講習を修了すれば取得できるというものではなく、講習を修了する事によって取得できる資格ですが、下記のような受験資格を持っていないと講習会を受講する事ができません。

 

①医師・歯科医師・薬剤師・獣医師などの有資格者

②大学や専門学校で、規定の過程(医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学)を修了し卒業した者

③厚生労働大臣の登録を受けた食品衛生管理者の養成施設(大学の食品衛生学コースなど)において所定の過程を修了した者

④学校教育法に基づく高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者(同等以上の学力があると認められた者も含む)で、資格を取得しようとする製造業などの衛生管理の経験3年以上、なおかつ食品衛生管理者登録講習会を受け修了した者。
食品衛生管理者登録講習会は、講習会を実施しようとする者が、都道府県知事の登録をうけて実施されます。
(※厚生労働省)

 

更新は不要ですが、講習会などへ積極的に参加し、法令の変更などを随時確認する責任が生じます。

食品衛生管理者の資格は、受講資格を持っている事と3年間の実務経験と講習を受講し修了しているという条件をクリアしていれば取得できるので、難易度はそれほど高くはありません。

 

 

まとめ               

 

 

食品衛生責任者・食品衛生管理者に関してお伝えしました。

食品衛生責任者は、主に飲食店などで販売・製造に関しての衛生管理を、
食品衛生管理者は、主に食品を扱う工場で加工・製造の衛生管理を行う資格です。

両者とも、食の安全を保つために欠かせない役割があります。

食品衛生責任者は、これから飲食業を開店する人には必須の資格となりますし、飲食店で店長職などを目指す方も取得しておくと良いでしょう。

食品衛生管理者も取得すると、食品工場や食品メーカーなどで活躍できますので仕事の幅が広がります。

これから食に関わる仕事でキャリアアップしたいという方にはおすすめの資格ですので、興味がある方は是非チャレンジしてみましょう。

 

 

 

 

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