結婚式・挙式のスタイルにはどんな種類がある?
結婚式・挙式のスタイルにはどんな種類がある?
様々な結婚式や挙式のスタイルは、これからブライダル業界で働きたいと思っている方であれば、知っておきたい基本的な知識となります。
特にウェディングプランナーは、新郎新婦の結婚式の希望を聞きながらプロデュースし、実現していく事が仕事となります。
そのため、どのような結婚式・挙式のスタイルがあるのかを事前に理解しておいた方がブライダル業界や結婚式への理解が深まります。
今回は現在の日本での結婚式・挙式スタイルをご紹介していきますので、参考にしてみて下さいね。
結婚式のスタイル・種類
現在の日本の結婚式には様々なスタイルがあります。
一般的な「挙式+披露宴」の他に、「挙式のみ」・「披露宴のみ」というスタイルを選択する方もいます。
近年はオーダーメイドの結婚式が増えてきている事から、その他のスタイルでの結婚式も増えてきています。
結婚式の代表的なスタイル3つと、その他のスタイルをご紹介していきます。
挙式+披露宴
最もオーソドックスなスタイルとなっており、家族や友人・会社の上司・同僚などお世話になった人たちに挙式と2人の結婚を披露する宴を行います。
挙式から参加してもらい、披露宴では来て頂いたゲストの方に感謝の気持ちを込めて、コース料理や飲物などでおもてなしします。
お祝儀制が基本ですが、北海道などでは会費制が一般的となっています。
1.5次会
披露宴程フォーマルすぎず、二次会程くだけず、カジュアルにおもてなししたいという新郎新婦から支持されており、近年人気のスタイルとなっています。
披露宴と二次会のちょうど中間となるパーティスタイルで、コース料理・ビュッフェスタイルなどが選択できます。
レストランやガーデンなどで気軽に行う事ができ、ご祝儀制と会員制のどちらでも可能となっています。
リゾートウェディング+帰国後パーティ
海外や国内のリゾート地で結婚式を行うスタイル。
国内であれば、沖縄・北海道・軽井沢・那須、海外であれば、ハワイ・グアム・バリ島などが人気で、自然に囲まれた中で結婚式(挙式)ができるのが特徴です。
ハネムーンや旅行も兼ねて、家族や親しい友人のみで行う事が殆どなため、帰国後にレストランや国内のブライダル施設で友人や同僚を招待しお披露目パーティを行うケースが多くなっています。
その他
上記3つが代表的なものとなっていますが、その他に下記のようなスタイルがあります。
・フォトウェディング
挙式や披露宴をしないカップルが、結婚式の代わりに写真を撮影し、思い出として残す事。
ウェディングドレスやタキシード・和装など結婚式の衣装とヘアメイクを行い、スタジオや屋外など好きなロケーションで写真のみを撮影します。
新しい結婚のプランの1つとして選択されるようになってきています。
・ナイトウェディング
夜に行う結婚式で、夕方からスタートする事が多くなっています。
建物をライトアップしたり、キャンドルで装飾したり、幻想的で落ち着いた雰囲気を演出できます。
・家族婚
友人や同僚・上司などは呼ばず、新郎新婦両家の家族や親族だけで行う少人数の結婚式。
大勢で華やかに行うのは苦手という方や、経済的な事情、また近年初婚年齢が上がっている事から、家族だけで落ち着いてアットホームに結婚式をしたいという方々に選ばれています。
挙式のスタイル・種類
現在の日本での挙式のスタイルは主に4種類あり、挙式の割合としては、
約50%以上が「キリスト教式」
約30%の方が「人前式」
約17%の方が「神前式」
その他「仏前式」となっています。
(※参考:ゼクシィ)
下記ではこちらの4つの挙式に関して解説していきます。
キリスト教式
⭕チャペルでイエス・キリストの前で2人の愛を誓う挙式スタイル
「教会式」「チャペル式」とも呼ばれています。
教会や、ホテル・結婚式場内にあるチャペルで行う結婚式の事で、日本の殆どがこのキリスト教式となっており最も多くのカップルに選ばれています。
プロテスタントでは牧師、カトリックでは神父が司式します。
聖歌隊・オルガニストもおり、ウェディングドレスを着てバージンロードを歩く姿は厳かで魅力的ですよね。
母親からのベールダウンや、父親と歩くバージンロード、指輪交換など感動的なシーンが多くあります。
★キリスト教式の流れ
前奏:オルガンなどの音楽が流れる中、参列者が入場。
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新郎入場:牧師が結婚式の開式を宣言。新郎が入場し祭壇の前に立ち新婦を待つ。
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新婦入場:新婦は母親のベールダウン後、父親または親族と入場。祭壇前で、父親から新郎の元へ。
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賛美歌斉唱:全員起立し、新郎新婦と参列者一同、賛美歌斉唱。歌詞は式次第に記載されています。
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聖書朗読:牧師が聖書の一節を朗読。
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指輪交換:結婚の誓約の証として新郎が牧師から結婚指輪を受け取ります。新郎から新婦、新婦から新郎の順でお互いの薬指にはめます。
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ベールアップ:新郎が新婦のベールを挙げ誓いのキスを交わします。
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結婚証明書に署名:新郎新婦が列席者の前で結婚証明書にサインします。
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誓約:牧師が新郎新婦それぞれに結婚の誓約を求め、それぞれ「はい、誓います」と答えます。
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結婚宣言:牧師が列席者全員の前で、新郎新婦が夫婦になった事を宣言します。
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讃美歌:新郎新婦と参列者一同、讃美歌斉唱。
↓
退場:新郎新婦退場。その後、牧師、参列者退場し閉式となります。
人前式(じんぜんしき)
⭕家族やゲスト全員の前で自由に永遠の愛を誓い承認してもらう挙式スタイル
宗教に関係なく、形式にとらわれず、自由な場所・進行・服装(ドレスでも和装でも可)で結婚式ができ、列席しているゲスト全員の前で結婚を誓いゲストから承認を得る挙式スタイルです。
決まった進行もないため、自分たちの好きなように場所や、演出を行う事ができよりオリジナルな挙式になりますのでウェディングプランナーは新郎新婦の要望をきちんとヒアリングし提案していく事が必要になります。
ゲストが証人となるため、一体感が出てアットホームな挙式ができ、盛り上がるシーンも多くなるでしょう。
他の挙式スタイルに比べると、価格が安くなる傾向にあるのもメリットの1つです。
★人前式の流れ
新郎新婦入場
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誓いの言葉
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指輪交換
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結婚誓約書のサイン
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結婚宣言
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結婚の承認
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退場
※人前式の場合、決まった流れはありませんが、基本的な一連の流れにそって進行していく事が多いでしょう。
神前式(しんぜんしき)
⭕伝統的な日本の挙式スタイル
神社またはホテルや結婚式場内の神殿で、神職の式次第にのっとって厳かに行います。
祖先の神々に、結婚を感謝し報告するという昔ながらの日本の挙式スタイルになります。
”家と家”のつながりを重視する事が多いため、列席は家族や、両家の親戚のみとなっていましたが、近年では神殿も広くなり親しい友人が参列できるようになってきました。
白無垢・色打掛などの和装で行い、日本ならではの伝統的な儀式も多いため、日本の厳かな雰囲気をしっかりと感じられる挙式スタイルとなるでしょう。
挙式後も、お宮参りや七五三・初詣などで訪れる事ができるメリットなどがあります。
★神前式の流れ
参進の儀:神職や巫女に先導され、新郎新婦・家族・参列者が一列になり神殿へと向かいます。
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入場:新郎新婦・媒酌人夫妻・両家親族が入場します。
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修祓(しゅうばつ):祭儀の前に、神様をお招きする準備として身のけがれを祓う儀式を行います。
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斎主一拝(さいしゅいっぱい):祭儀始まりの合図です。斎主に合わせて参列者全員が起立し、神職に合わせて深くお辞儀をします。
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祝詞奏上(のりとそうじょう):本格的な式のスタート。まずは神職を筆頭に全員で神様に挨拶をし、神様に2人の結婚を報告する祝詞奏上が行われます。神職が祭儀の内容や祈願が盛り込まれた祝詞を奏上します。
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三献の儀:三々九度の盃の事。誓杯の儀とも呼ばれます。
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誓詞奉読(せいしほうどく):新郎新婦が神前に進み、誓いの言葉である誓詞を直接奏上します。
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玉串奉奠(たまぐしほうてん):新郎新婦が神々への感謝を込めて玉串を自らの手で神前に捧げ、二礼二拍手一礼をします。
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指輪の交換:巫女が運んだ指輪を、新郎・新婦の順でお互いの薬指にはめます。
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親族盃の儀:両家の結びつきを祝い、両家の親族がお神酒を頂く儀式です。巫女が御神酒を注ぎ、新郎新婦と参列者で神酒を3口で飲みます。
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斎主祝辞:斎主である神主から、婚儀を祝福してお祝いの言葉と、神様へ滞りなく神前式が終わった報告が行われます。
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退場:神前に一同で拝礼して、退出します。
仏前式
⭕仏前で2人の愛を誓う挙式スタイル
結婚すると来世まで連れ添うという仏教の教えに基づき、新郎新婦が仏の前で来世までの結びつきを誓う結婚式。
正装は和装となっており、寺院やお寺などで挙式を行います。
日本で仏前式を行う数は大変少なく、ホテルや結婚式場においても仏前式ができる施設を設けていない事が殆どなため、寺院の本堂や自宅に僧侶を招いて行う事が多いようです。
まとめ
現在の日本の結婚式・挙式のスタイルに関してお伝えしました。
特徴やメリットが異なりますので、ウェディングプランナーは新郎新婦の希望を確認しながら、それぞれのカップルに合ったスタイルを提案していく事が求められます。
ホテル・専門式場であれば
「キリスト教式」・「神前式」・「人前式」
ゲストハウスであれば
「キリスト教式」・「人前式」
などが一般的となるでしょう。
勤務先によって、提案できる挙式スタイルも異なりますので転職活動をする際には事前に確認しておきましょう。
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