調理師の給料はいくら位?職場別の傾向や収入アップの方法5つ
調理師の給料はいくら位?職場別の傾向や収入アップの方法5つ
調理師の仕事は飲食店やホテルだけでなく、学校や病院などの現場でも活躍できる世の中になくてはならない仕事です。
調理師の仕事に興味はあるものの、給与や年収面が気になり転職に踏み切れないという方もいるでしょう。
飲食業界や調理師の仕事は、給料が安いという事を聞いた事がある方もいるかもしれません。
しかし調理師は年齢や職場によっても給与が異なりますし、幾つかの方法で給与を上げる事も出来る職種です。
ここでは調理師の平均給与や職場ごとの傾向、給与アップの方法などについて解説していきますので、調理師の給与面が気になる方が是非参考にしてみて下さい。
目次
1:調理師の平均給与や賞与
・平均年収や賞与
・男女別の違い
・年齢別
2:職場による調理師の給料の傾向
・レストラン/飲食店
・給食センター
・病院
・保育園
・結婚式場
3:調理師がお給料を増やす5つの方法
・スキルを磨き昇格を目指す
・資格を取得する
・給与の交渉をする
・転職する
・開業独立する
4:社会人が調理師になるには
・調理師になる方法
・調理師に求められる資質や能力
5:まとめ/調理師は職場と実力によって高収入も可能
調理師の平均給与や賞与
ここでは厚労省の令和3年賃金構造基本統計調査をもとに、調理師の平均年収や賞与などの収入について解説していきますが、平均年収はあくまで調査した限られた企業の中での平均値になっています。
調理師の給与は性別や年齢などの条件や、企業の業態によっても傾向が変わりますのでそれぞれ詳しくお伝えしていきます。
(※額面での金額になります。税金や保険料などを引いた手取り額はもう少し下がります)
平均年収や賞与
10人以上の企業を対象にした「飲食物調理従事者」の月収は25万2400円、賞与等は29万9800円が平均値となっています。
ここから計算すると、平均年収は332万8600円になります。
2020年の正規・非正規を含む平均給与は433万円となっていますので、日本の平均年収と比べると低い傾向にあると言えます。
※調理師とは国家資格を資格を取得した人の事を指しますが、この統計は飲食物調理従事者の給与額なので、調理師免許を持たない人も含まれます。
男女別の違い
厚労省の令和3年賃金構造基本統計調査によると
○男性の調理従事者
月収:28万7400円、賞与:30万8700円
→ここから計算すると、年収は375万7500円
○女性の調理従事者
月収:20万4300円、賞与:28万7600円
→ここから計算すると、年収は273万9200円
となっています。
男性調理師に比べ、女性調理師の給料は低めになっているのが分かります。
理由としては
○妊娠や出産などを機に仕事から一時的に離れる事が多く、長く働けない為、管理職に就く事ができない
○復職しても残業が難しかったり、早退・欠勤する事がある
○家事・育児と両立するため、非正規雇用や時短勤務で働く人が多い
等が挙げられます。
料理長や店長などへのキャリアアップが難しく役職手当や残業手当がつかない事が多くなるため、男性よりも収入が低くなってしまいます。
年齢別
○20代後半の平均年収:307万円
○30代後半の平均年収:約359万円
○40代の平均年収:約381万円
○50代後半の平均年収:約352万円
となっています。
調理場には調理師見習い~調理師そして調理長がいます。
調理師見習いは新卒や20代が多く、経験も浅いため年収は300万円程度となっています。
30代以降は技量が上がり、責任ある仕事やポジションを任されるようになるため給与も上がっていきます。
40代になると更に調理長やマネージャー・店長などを任され、現場のマネジメントや部下の育成などを行う事が多くなるため、平均年収がピークになり、50代以降緩やかに下がっていく傾向にあります。
職場による調理師の給料の傾向
調理師の職場は多岐にわたり、様々な場所で活躍できる仕事です。
上記で年齢や性別毎の平均年収をご紹介しましたが、あくまで統計上の数値であり限られた範囲での平均値となっているため、同じような収入になるとは限りません。
調理師の給料は職場や業態によって相場も異なりますので、ここでは職場別に調理師の給料の傾向について解説していきます。
レストラン・飲食店
高級ホテルのレストランや有名料理店は、料理に力を入れており単価も高い事から、調理師全体の中では給料は高くなっています。
入社年度は250万~300万円程とあまり高くはないのですが、ポジションを上げることで収入アップが見込める業態であり、シェフなど役職がつくと1000万円を超えるケースもあります。
またホテルのレストラン勤務は福利厚生や待遇も整っている事が多く、基本的にはボーナスも支給されるでしょう。
企業が運営する規模の大きいレストランやチェーン店は、厨房の責任者など役職がつくと年収500万円程見込めるケースもあります。
街のレストランなど個人経営の飲食店勤務の場合は、その店舗によって大きく差があります。
売上が上がらなければ給料にも影響しボーナスや手当がなく低収入になってしまう事もある一方で、小さな店舗であっても売上が良ければ高収入になる事もあります。
給食センター
小中学校の給食施設で給食調理員として働く場合、市の職員として採用される場合と自治体から委託を受けた民間施設に採用される場合があります。
公務員の場合は、2021年の技能労務職の平均給与月額が約37万円、賞与が4.3カ月から計算して年収は600万円程となっています。
民間施設に採用された場合の平均年収は300万円程となっており、ホテルや飲食店よりも低くなる傾向にあります。
理由としては、終了時間が15~16時となっており2交代制のシフトでまわしているため、残業も殆どない事や小中学校であれば、土日休みとなりますので休日出勤などが無いためです。
また売上によって収入が左右される事もないため、固定給での支払いのみとなる事が多いためです。
病院
病院で働く調理師の平均年収は300万~500万円程となっており、民間の給食センターなどと比べると高めになっています。
病院での調理は365日毎日稼働しており、朝昼夜と3食必要になるため、基本的には2交代制・もしくは3交代制のシフトで勤務するようになります。
病院で働く調理師は入院患者に合わせた調理や、健康管理が必要となるため、栄養士や管理栄養士などの資格が必要な場合もあります。
保育園
保育園の常勤調理師の給料は
○私立保育園
月収:約26万9534円
年収:約320万円(ボーナス込み)
○公立保育園
月収:32万9211円
年収:約395万円(ボーナス込み)
となっています。(※内閣府 令和元年幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果より)
パートやアルバイトで勤務する場合は、地域や経験などによっても異なりますが、大体1000円前後位になるようで
す。
保育園の調理師として正社員で勤務した場合は、保育園で働く保育士などと同じ福利厚生を利用する事ができます。
小中学校の給食施設と同じく、15~16時位までの勤務が多く残業は殆どありません。
また日祝休みとなり休日出勤もありませんので、固定給のみでの支給が多いでしょう。
結婚式場
結婚式場の調理師の平均年収はおおよそ300万~450万円程となっています。
本格的なフレンチを出している式場も多いため、リーダーポジションや料理長クラスになると800万~1000万円のケースもあります。
またブライダル企業は、資格取得支援制度や資格手当などが充実していたり、福利厚生が整っている傾向にあるため残業手当やボーナスが支給される企業も多いでしょう。
平日に関しては勤務はそこまで長くないのですが、土日祝日の結婚式が行われる日は、早朝~深夜まで及ぶ事が殆どです。
また土日祝日休みは殆ど取れません。
調理師がお給料を増やす5つの方法
調理師の給料は、年齢や性別・職場だけでなくスキルや経験によっても変わってくるため、給料を増やす方法はいくつかあります。
ここでは調理師の給料を上げていく5つの方法を解説していきます。
スキルを磨き昇格を目指す
調理師は技術が必要な仕事です。
そのため技術を磨き、調理の技術力を上げお客様の評価が得られたり、売上に貢献できれば、昇格・昇格でき給料アップも望めます。
例えば1つのジャンルを極めたり、人気店や有名店、一流レストランや三ツ星レストラン、格式の高いホテルで修行するなどしてスキルをつける方法があります。
スキルを付けた後に、人気店や有名店の飲食店や、規模の大きいホテルや結婚式場などのシェフになれば売上も大きくなるので年収を上げていく事ができます。
シェフになるには調理技術だけでなく、部下のコントロールや育成などコミュニケーション能力や人間性も必要となってきます。
このようなスキルを持っていれば管理職としての昇給できるでしょう。
資格を取得する
調理の仕事をする上で、国家資格である調理師免許は必須ではありません。
ただし、企業によっては調理師免許があると手当がついたり基本給が上がったりする場合があります。
また、飲食店やホテル、病院や保育園などの求人では調理師免許を応募条件としている職場もあるので、資格を持っていないと応募できない事もあります。
給与アップしたいなどより良い条件で転職したいのであれば、調理師免許は持っていた方が良いでしょう。
調理師免許取得後、フードコーディネーターなどの民間資格を取得すると、更に就職先の幅は広がります。
給与の交渉をする
勤務先でのキャリアが長く経験やスキルを積んでいるようであれば、勤務先に昇給の交渉をする方法もあります。
ただその際は昇給の根拠となる実績が必要となります。
例えば、メニューの考案やそのお客様の評価・売上貢献度などの材料が必要です。
実績がなくてもそれまでの努力や、今後の目標やビジョンをアピールする事で給料が上がる可能性もあります。
転職する
前述したように調理師の給料は職場によって異なります。
スキルと経験を積んでいても今の職場で昇給が見込めないのであれば、より良い条件の職場への転職を検討するのも1つの方法です。
もし勤務先の売上状況なので、給料が上がらない場合はスキルをつけても今後昇給しない事もあり得ます。
調理師は技術力が求められるため、スキルがあれば転職して給料が上がる可能性は高くなります。
有名店、ホテルのレストランなど人気店や規模の大きい店舗に転職すれば高収入も望めます。
その際は収入面だけでなく、調理の内容やキャリアプラン・福利厚生などもきちんと確認しておきましょう。
開業独立する
独立してオーナーシェフとなり成功すれば収入が大幅に上がる可能性があります。
人気店となり経営が軌道に乗れば、売上も安定し収入も上がっていきます。
しかし、成功するためには調理スキルだけでなく資金や経営能力も不可欠です。
失敗すれば収入もなくなり、最悪多額の負債を抱えるというリスクもありますので、しっかり資金や経営能力の準備を行った上で独立を考える事が大切です。
※独立の際に調理師免許必要でありませんがが、あるとお客様の信頼につながります
社会人が調理師になるには
ではどうすれば社会人から調理師に転職できるのでしょうか。
調理師の仕事に転職する方法や必要なスキルについて解説していきます。
調理師になる方法
社会人が調理師になる場合、2つの方法があります。
①厚労省指定の調理師養成施設に入学して専門課程を履修する事で、卒業と同時に無試験で調理師免許が取得できます。
調理師の専門学校や民間のスクールに通い、調理に関する知識や技術をつけ、調理師に転職する方法です。
②もう1つはアルバイトか未経験可能な求人に応募して、経験を積む方法です。
中途採用の場合は、何かしらの調理経験や調理師免許があると有利になります。
飲食店や給食施設で調理に従事し2年以上の実務経験を積むと、調理師試験の受験する事が可能となり合格すれば資格を取得できます。
◎無事調理スタッフになれた場合、最初は見習い(掃除、準備、洗い場)や仕込み担当として勤務し、経験を積んで調理師としてスキルアップしていきます。
一人前の調理師になるまでにはある程度の期間が必要となるため、すでに社会人経験を積んでいる人は、年齢の面を考えても学校に通うより未経験可能な求人へ応募し実力をつけていった方が早いでしょう。
調理師に求められる資質や能力
調理師は調理の技術や知識だけでなく、様々な資質や能力が必要となります。
厨房で立ちっぱなしで仕事をする事が殆どであり、重い食材や調理器具を扱うなど力仕事も多いため体力が必要となります。
また開店前に仕込みをしたり、閉店後に片付けや発注業務などがあるため、飲食店であれば特に長時間労働になる事が多くなります。
また料理に対するセンスや味覚、探求心や向上心が不可欠です。
どんな料理を出したらお客様が喜んでくれるかという事を常に考えられる人が向いています。
そのため料理に対する盛り付けのセンスや味覚はもちろんの事、探求心や向上心がある方でないと、調理の仕事は続けていけません。
そして調理師には臨機応変な対応力も必要となります。
飲食店であっても、病院や保育園などの施設であっても好みやアレルギーなどで食材の変更があったり、お客様や患者さんから様々な要望がある事もあります。
可能な範囲で対応を考え、その時に合った食材で料理を提供できれば、より顧客満足度があがります。
まとめ
調理師の給料は安いと言われていますが、実際には勤務先や働き方・年齢や性別によっても大きく変わる事が分かりました。
一般的な年収と比べると低い傾向にありますが、有名店や一流店で修業し実力やスキルをつけ高い評価を得られたり、独立して成功すれば年収を上げていく事が可能な職業です。
職場と実力によって高収入も可能となります。
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